










グラフィックデザイナー 小林一毅さんの初の作品集「言葉が立ち上がるまえに」が入荷しております。
約9ヶ月で制作された591枚の「言葉が立ち上がるまえ」の形を収めた一冊の本。
厚み4cmの本書は、解説テキストなどはなく、ほぼ原寸大の「形」が連なっています。
制作のきっかけはお子さんと過ごす時間のなかで感じた「自分が感じる『良い石』と、子どもが感じる『良い石』の違いとは?」という問いから。
『大切なのは目が捉えた瞬間に迫ること。対象物に言葉が追いつく寸前、この瞬間が唯一、子どもと石との関係性に近いのではないか。』という仮説をもとに、日々の生活の中で捉えた「形」を積み上げた作品集です。
小林さんは社内デザイナーとして働いていた時代も、1日ひとつ作品をつくり自主的な創作活動を続けられていたそうな。
自分自身の潜在的な部分と向き合い、表現し続ける小林さん。
小林さんの日常の機敏を感じ取ることができる「形」をじっくり楽しんでみてください。
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ふとした時に、自分の意思とは別に目が独りでに拾ってくるものがある。
「あっ」と声をあげ、忍ばせた紙切れとペンを急いで取り出す。
その場で簡単に描いたメモを頼りに家に帰ったら線を引く。
うまく言葉にできないものだから「なんか...」「こんな...」と呟きながら、
すでに消えつつある光景に触れるようにして形として立ち上げる。
目は何を求めていたのか、描くことで言葉に近づけると思って描き始めたが、
ある時、言葉に立ち上がることを拒まれている気がして描くのをやめた。
形だけがここに積み上がっている。
小林一毅
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判型:縦 179 ×横 116㎜ (B6 判変形)
頁数:608頁
ISBN:978-4-9912385-8-1
発売日:2024年12月24日
発行所:南方書局
小林一毅
グラフィックデザイナー
1992年滋賀県彦根市生まれ
2015年多摩美術大学
グラフィックデザイン学科卒業
資生堂クリエイティブ本部での
勤務を経て2019年に独立
東京TDC賞JAGDA新人賞受賞